母親が亡くなったとき
その1
「早速にお悔みを頂戴(ちょうだい)いたしまして、恐縮でございます。生前より桜の花が大好きでございまして、先日も『今年もみんなでお花見に行こうね』などと申しておりましたのですが、その桜も咲かないうちに逝(い)ってしまいました。まことに残念でございます。」
- あくまでも感情におぼれることなく、丁寧に落ちついて応待をするのが礼儀です。
- 礼儀正しく、短く、簡潔な言葉でお礼を述べます。
ただし「ありがとうございます」というのは、場所柄ふさわしくありません。「恐れ入ります」あるいは「いたみ入ります」と答えるのが適当です。
その2
「遠いところをお運びいただき、恐れ入ります。母は日頃、丈夫(じょうぶ)だけがとりえと言ってましたので、まさかこのようなことになってしまうとは…。もう少し私が気を付けてやっていればよかったのですが…。息を引き取る前に私の手を取り、一言『ありがとう』と言ってくれたのが、せめてもの慰(なぐさ)めです。」
- 故人と、その弔問客との間柄を心得て応接をするようにします。
- 受け身で話します。こちらから話しかけることはしないように。
その3
「ただ今はご丁重(ていちょう)なご焼香を賜(たまわ)りまして、痛み入ります。父が亡くなりましてから、苦労続きの母でございましたが、ようやく一番下の妹も、この春に嫁ぎ、なんとかのんびりできるようになった矢先のことでございます。まだ十年も二十年も生きて欲しかったのですが…」
- 喪主や遺族は、弔問客を玄関まで見送らないのが普通です。
- 弔問を受けるのは本来故人です。
遺族はその代理人であることを忘れないようにしてください。